明るい老後を迎えるための2つのシナリオ

「老後」と言われてもまだまだ遠い未来なので

現実味を帯びて考えにくいかもしれませんが、

老後のことまで考えた上で資金計画を立てておかないと

後から取り返しがつかない状況を招きかねないのが

家づくりの恐ろしいところです。

 

ゆえ、家を建てながらも

安心して過ごし続けていただくために

今回は老後資金についての個人的な見解について

お伝えしていきたいと思います。

 

✔️老後2000万円問題は本当なのか?

 

数年前、麻生大臣が年金だけでは

老後資金が2000万円ほど足りないという発言をして

物議を醸し出したことがありましたが、

国のデータによると

一般的な家庭の年金支給額と

65歳からの生活費を差し引いてみると

マイナスとなってしまう上、

この数字の中には住居費やゆとり費

(旅行や趣味、子や孫への援助金)

などは含まれていないため、

それらを合わせると

あながちこの話は間違いではないぐらい

家計が大赤字になってしまいます。

 

一般的な家庭の年金支給額が

月額約21万円なのに対し、

老後の最低生活費が月額約22.5万円で、

これに住居費とゆとり費が加算されると、

85歳ぐらいまで生きることを前提とすると

支出は月平均35万円ぐらい必要だと言われているからです。

 

この数字を元に計算してみると、

毎月14万円×12ヶ月×20

3360万円ほど老後資金が足りない

ということになってしまうわけですね。

 

ゆえ、なんらかの方法でこの不足分を

補填していかないといけないのですが、

個人的にはその最良の方法が銀行預金ではなく

また貯蓄性の保険でもなく

「長期積立投資」だと考えています。

 

理由は、これから仕事を辞めるまでの長い間、

「複利」効果を利用しながら

お金を運用し続けていくことによって

銀行や保険よりも圧倒的にお金を増やすことが出来る

可能性が高いからです。

 

「複利」とは元本に利息を加えた額に

さらに利息がかかるようになる計算方式のことで、

期間が長くなればなるほど

その恩恵が雪だるま式に膨らんでいくのが特徴です。

 

仮に毎年10万円ずつ積立し、

それを年率5%ずつ増えていくとしたら、

1年目:10万円×5%=5,000

2年目:10万円+5,000円)+10万円

205,000×5%=10,250

3年目:205,000円+10,250円)

10万円=315,250×5%=15,763

という風に、増えていく割合が

年々大きくなるというイメージですね。

 

ゆえ、基本的には複利効果を最大化出来る

この「長期積立投資」を

老後資金づくりのメインシナリオに

考えていただきたいと考えています。

 

✔️老後資金のサブシナリオ

 

とはいえ、家計の状況によったら

たとえ保険を見直し、

かつ住宅ローン返済の負担を減らしたとしても

充分な資金を長期積立投資に回せない

という方もいらっしゃると思います。

 

ゆえ、その状況が濃厚な方には

出来るだけ長く働き続けてください

とお伝えさせていただいています。

 

理由は、単純に働き続ければ

安定収入が入ってくるから。

そして、安定収入があることで

年金支給を遅らせることが出来れば、

年金額を増やすことが出来るからです。

 

年金は65歳から受け取ることが出来ますが、

支給率は1ヶ月遅らせるごとに0.7%上乗せされるため、

65歳から受ける年金額を1とすれば

70歳まで遅らせるとしたら142%になり、

限界の75歳まで遅らせるとしたら184%になるからです。

 

具体的な数字で示すと、

通常65歳から受け取ることが出来る

国民年金の額が約13万円なので、

70歳に遅らせると約18.5万円、

75歳まで遅らせると約24万円になり、

これに厚生年金の上乗せ分が

支給されることになるというわけですね。

 

仮に夫婦そろって働き続けていけたとしたら

おそらく毎月35万円を超える年金になるのではないでしょうか。

これが、僕が考える老後の不足資金を補填するサブシナリオです。

 

ただ、このシナリオにはずっと健康であることと、

いつ死ぬか分からないから

貰えるものは早く貰っておきたいと考えてしまう

心理的な壁の2つの障壁があるため、

あくまで「サブシナリオ」の枠に

とどめておいて欲しいんですけどね。

 

とはいえ、この2つのシナリオさえ知っていれば

安心して家づくりを進めることが出来ると思うので、

 

ぜひ覚えておいていただけたらと思います。